2024年8月30日に開催された、『大学芸会個人戦2024 決勝戦』。
大会レポートの後編では決勝戦の模様を、1st Stageの後半とFinal Stage、そして優勝者決定の瞬間にフォーカスしてお伝えする。
決勝戦進出者のインタビューも読めるレポート前編記事はこちら!
大会名称:『大学芸会個人戦2024 決勝戦』
開催日:2024年8月30日(金)
会場:なかのZERO小ホール
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決勝戦レポート
1st Stage ネタ(後半)
⑩漫才集団サンパチペーハー(東京大学落語研究会)
漫才「電車の話」
後半1組目は、漫才集団サンパチペーハー。日本語の主述をテーマにした独特の切り口で他にない笑いを生み出す。ボケを引っ張るほどに、郡司の切れ味鋭いツッコミが期待を超えて会場が拍手笑いに包まれる。
⑪ギュインギュイン(早稲田大学お笑い工房LUDO)
ピン「粗品とあの」
続いて4年生ピンのギュインギュインが登場。詳細な記述は避けるが、モニターの映像をテンポよく切り替え、まさに「ジャンル:ギュインギュイン」と呼ぶべき唯一無二のピン芸を披露。画面が変わるごとに起こる拍手笑いは後半につれてますます大きくなり、観客に息継ぎの暇を与えないほどウケていた。
⑫あとまわし(創価大学落語研究会)
コント「音楽教師」
続く後半3組目は創価落研の3年コンビ、あとまわし。暗転前の「コントはじめます!」「どうぞ!」という掛け合いで笑いを誘いつつ、客席をあっという間にあとまわし色に染める。狂気的な音楽教師と生徒によるやりとりの繰り返しと展開で観客を爆笑の渦に巻き込んだ。
⑬わっはっは!!エスパス外畑(上智大学お笑いサークルSCS)
コント「ジュラシックパーク」
後半4組目は、SCSのわっはっは!!エスパス外畑による集団コント。ジュラシックパークやJAWSのポスターを使った大掛かりなセットに驚くが、その後も着ぐるみ、ラジコンヘリコプター、傘回しをはじめ想像のつかない仕掛けとワザの数で畳み掛ける。カオスを極めた大学お笑いならではのネタに会場に大爆笑が響き渡っていた。
⑭しがり(創価大学落語研究会)
コント「音楽教師2」
続いて5組目は、あとまわしのボケも務めたしがりによる一人コント。2ユニットで決勝戦に進んだ強みを活かし、あとまわしのネタにも登場した音楽教師の続編を披露した。あとまわしのネタがフリとなって会場の笑いは増幅し、怖く奇妙なキャラクターでしがりの世界観を舞台上に表した。
⑮カウチポテチ(上智大学お笑いサークルSCS)
コント「パンツ」
後半6組目には4年生の男女コンビ、カウチポテチが登場した。テーマのくだらなさとは裏腹に、2人の高い演技力と自然なセリフの応酬に観客は思わず引き込まれる。しまくらのキザな芝居やストーリー展開の一つひとつでウケをしっかり取りつつ、甘酸っぱさも感じさせる洗練されたネタとなっていた。
⑯グラマラスグランマ(一橋大学お笑いサークルIOK)
漫才「よくない噂」
続く7組目には4年生の漫才コンビ、グラマラスグランマが登場。よくない噂に対して交互に反論するシステム漫才を披露した。一つひとつのワードが百発百中で大ウケをとり、圧倒的な大喜利力と心地よいテンポの掛け合いで観客を魅了した。
⑰カオスネルドラント(慶應義塾大学お笑い道場O-keis)
コント「発車ベル」
1st Stageも終盤に差し掛かり、8組目には3年生トリオのカオスネルドラントがコントを披露した。聞き馴染みのある電車の発車ベルを使った替え歌ネタで、楽曲・ネタともに予想外の展開を重ねる。決して観客を飽きさせないまま4分間ウケを取り続けた。
⑱クジラ会館(近畿大学お笑いサークルこども帝国)
漫才「出産」
大学芸会2024決勝戦 1st Stageの大トリを飾ったのは、近畿大学の3年生漫才コンビ、クジラ会館。出産に挑戦するコント漫才で、全力なボケとツッコミが観客の笑い疲れを吹き飛ばす。勢いよく舞台を動き回る2人が会場に爆発的な笑いを生み出し、お祭りのフィナーレにふさわしい明るさで1st Stageを締めくくった。
1st Stage 結果発表
1st Stageの全ネタが終了し、MCのさすらいラビーが再び舞台に登場。ネタを振り返りつつ、宇野氏は「みんなウケていたから全組にFinal Stage進出の可能性がある」と大会のレベルの高さを語る。
審査員の児島氏も1st Stageを振り返り、「後半は特に濃いネタが多かった。コントであれば演技力、漫才であればしゃべくり力などあらゆる面でレベルが上がっており、誰が勝ってもおかしくない」とコメントした。
続いて、さすらいラビーの2人が気になった数組の芸人とトークを繰り広げた。舞台上に呼ばれたのはクジラ会館、風呂釜くん、わっはっは!!エスパス外畑の3組。
立正大学お笑いサークルマスカットに所属する風呂釜くんはサークル事情を聞かれ、自身が一度消えかけたサークルを再興し代表2年目を務める張本人だと話す。中田氏は驚きつつ、「マイク一本であれだけウケるのはかっこいい」と感心の表情を見せた。
一方、わっはっは!!エスパス外畑は舞台上に某ライブ制作団体代表の顔パネルを持参。MCの2人がやや呆れつつプロ志望のメンバーを聞くと、留学生のEddaのみが手を挙げる。さらにEddaは好きな芸人を聞かれ、「あんまよく知らないけど、宮迫?」とパンチラインを繰り出した。その後もMC2人の質問にふざけた回答を返す4人に対し、ついに中田氏が「人をおちょくるのもいい加減にしなさい!」としびれを切らすワンシーンも見られた。
クジラ会館は4年生の有名コンビが多く集まる本大会ではダークホースとも言えるが、本人たちは「今日は難産でした!」とあっけらかんとした様子で感想を語る。カレーの明るい受け答えが中田氏にハマり、会場が時折静かになると「俺だけは味方だよ?全部のLINEグループに入れたい」と愛が止まらない様子だった。
その後も主にわっはっは!!エスパス外畑とMCとのトークで会場は盛り上がり、あっという間に1st Stageの結果発表へ。
Final Stageに進出する3組に選ばれたのは、3位のギュインギュイン、2位のストロングブルジュニア、そして1位のマボロシ。
名前が呼ばれるやいなや、袖から3組がガッツポーズや咆哮とともに現れた。
ギュインギュインは「ウケはしたが、あのネタでファイナルに上がれるとは思っていなかった。嬉しいです。ありがとうございます」と語る。
ストロングブルジュニア佐々木はネタ前の煽りVTRに言及し、「おしっこ飲んでよかったです!(※実際はオレンジジュース)」と喜びの表情を見せる。丸山も「あとはやるだけ!」と気合十分の様子だった。
マボロシ堀元も前日に判明した煽りVTRのトラブルを語り、「VTRがちゃんと流れたことでスタッフの一体感が生まれていた」と興奮を隠せない様子で語っていた。
審査員の吉田氏はこの結果について、「18組全てが、どう点数をつければいいのか分からなくなるぐらい面白かった。自由さがすごく良かった」と決勝戦進出者を絶賛。その上で、Final Stageに進出した3組に対し「自由さがありつつも『この芸人が好きなんだろうな』をあまり感じさせないオリジナリティに溢れていた」と結果に納得するコメントを述べた。
Final Stageの順番は1st Stage1位のマボロシから選択し、1番手がギュインギュイン、2番手がストロングブルジュニア、3番手がマボロシとなった。今年の優勝者が誕生する運命のFinal Stageが、ついに始まる。
Final Stageの模様は次ページへ!