2人の関係性は「ママ友」?
—続いて、暁天さんの4年間の活動についてお伺いします。
一年生のときから活動されていたとおっしゃっていましたが、その頃からずっと暁天がメインのコンビだったのでしょうか?
佐藤:夏まではお互いに違って、それ以降はメインになった気がします。
高瀬:私は最初、地元が一緒のチャーシューくんとコンビを組んだ状態で、一緒にLUDOに入りました。コンビ決め会が怖くて。
でも、それがえっと……本当に性格が合わなくて終わったので(笑)。
それから自動的に暁天が1個になりました。LUDOの中だと、幼馴染コンビ以外では一番ぐらいに長いんじゃないかな。
—当時からかなり活躍されていたとお聞きしました。
佐藤:ん~……でも、ネタ見せでめっちゃ先輩に笑ってもらってた時期はあった気がする。
高瀬:結果で言うと、ガクコメで1位をとったのが同期で最初じゃなかったっけ。キリキリマイと同じ日の1部と2部で、同時に1位をとって。
でもそれぐらいですかね。新人戦も決勝に行ったのはクワトロジャンキーだったし。
—少しお話は戻りますが、おふたりはサークルに入ってからコンビを組まれていますよね。関係性における「相方度:友達度」はどのような比率になりますか?
高瀬:友達というよりかは、全然相方ですね。あんまり同じ遊びに行かないし、違う後輩をそれぞれ可愛がってるし。
佐藤:そうだね。
高瀬:でも、ネタのことだけやってるわけでもない。寄り道して、ご飯食べたりもします。
佐藤:確かに。どうなんだろう。
高瀬:上手く言いたいな……「ママ友」! お茶するし。地元で出会った友達の感じでもなくて。
でもやっぱり全然違うかも。いい意味でのビジネスパートナーですね。お笑いの関係ない喧嘩もないし、性格が合わないとかも全然ない。
佐藤:でも、恋バナとかしないこともないし。
高瀬:実家暮らしと寮暮らしで、めっちゃ一緒にいるわけじゃないのがいいんだと思います。

—ネタ作りは、おふたりで持ち寄ってやることが多いんでしょうか。
高瀬:2人で持ち込むときもあります。あと、私には川端(煉炭貴族)と2人で(ネタ作りの)時間を取って書いたり、何か案がないかなって考えたりする時間があって。お互いに「こういう設定があるんだけどどうかな」って話して、「こうしたら1本のネタになるかな」とか「ここで何かできそうじゃない」とか言い合って、ある程度方向性が見えたら自分で落とし込んでネタにするっていう特殊なことをやってるんですよ。
新ネタライブを控えてて私がネタできなくてやばいってなってるときも、「この日は川端と会うから一旦安心して」っていう話をしてます(笑)。
佐藤:そこでネタの種ができた後に、もう1回持ってきてもらって、どう広げたらいいか話します。
高瀬:軸の決まってるネタは、1人でカフェとか行って一旦全部書き上げてからネタ合わせに持っていくときもあります。でもコント漫才とかは、その場で話しながら作りますかね。自分が微妙かなと思いながら言った案でも気に入ってくれることがあるので、1人で全部決めちゃうよりも採用できるボケの幅が広がるんですよね。
佐藤:コント漫才を1人で考えるとめっちゃ不安になっちゃうもんね。
高瀬:「いやもう本当に、これは採用しなくていいんだけどさ。もう思いついちゃったから言うけどさ」みたいな案を、それやろうって対応してくれたりするから。あと、ラウにも言ってみてもらって、面白かったら採用してます。
佐藤:確かにその場で言えるのがいいですね。
高瀬:ラウは喫茶店でもマンキンでやるからね(笑)。
佐藤:声が大きいこと忘れちゃうんだよね。
高瀬:今大声を出してることを忘れちゃって、普通にうんこって言ってるときもあります。
「自分たちが一番面白いと思うことができた」
—4年間のコンビ活動で一番嬉しかったこと、もしくは悔しかったことは何でしたか?
高瀬:4年生の大会で大学芸会もNOROSHIも決勝に行けなくて、「じゃあもう決勝行けないまま終わるのか」っていう、ぼんやりとした悔しさはあります。でも、芸会もNOROSHIも別に、自分たちが一番面白いと思うことができて。周りの同期とかで大会までにいいネタができなくて苦しんでる人とかもいた中で、本当に満足のいくものは出せたんです。
周りの人もすごい褒めてくれたり、この間知らない人から長文の感想DMをもらったりして、誰かの心を動かした実感はある。だから、大会に関しては大学お笑いがまだこういう漫才や女漫才に追いついてきてないだけだと思ってます。後輩にも言ってるんですけど、まだ(自分たちのお笑いに)ついてきてないなら、固執しなくていい……このまま載って大丈夫かな(笑)。ここ(暁天)が評価されない大会であることはもう別に分かってたし、いいかな、という。

その中で嬉しかったことを挙げるとすれば、3年10月のLUDO定期ライブで初めて1位をとったときです。たしか学生会館の下の喫煙所でみんなで順位を見ました。その頃はそんなに外部のお客さんも来てない、いわゆる「LUDOのライブ」だったというのもあって、本当に嬉しくて。LUDO内でのウケって愛されとすごい比例してるから、そこまですごく苦戦してたけどやっとLUDOに認められた感じがしたんです。あと、そのときの2位が昨日優勝した(取材日はR-1グランプリ決勝戦翌日)友田オレだった。
—「友田オレに勝った」コンビですね!
佐藤:(笑)。そうですね!
高瀬:びっくりびっくり(笑)。2年の新歓ライブとかは最下位だったから、LUDOのライブで勝てたのがやっぱり一番嬉しかった。
佐藤:私は、特に最近自分がめっちゃ面白いと思ってる同期に面白いって言ってもらえることがうれしいです。堤(うさぎ事件)、島倉(カウチポテチ)、堀元(マボロシ)、大矢(鯖のTシャツ)とか、ずっと1年生のときから一緒にやってきた同期が言ってくれることが多くなって。
高瀬:ガクコメで初めて見たときからずっと面白かった人たち。
佐藤:普段そんなに話すわけじゃないんですけど、今回のNOROSHIの後に面白かったって伝えるためだけにわざわざこちらに来てくれることが多くて、それは本当に嬉しかったな。
高瀬:あと、2024年のM-1の2回戦も悔しかったです。
佐藤:うわ、本当だね。
高瀬:拍手笑いが2回出たのに落ちて。
佐藤:確かに。でも、あれ以上できたことないと思うんだけどね。全然(3回戦に)通さない方が悪いと思ってるな。
高瀬:すごく肉薄した感じがあったから、もう……悔しいというか、ブチギレです(笑)。
佐藤:THE Wも準決勝行きたかったな。
高瀬:あれは温度感が違ったね。あのネタじゃなかった。
佐藤:そうね。結局、負けた大会は全部悔しいです。
あと、悔しいとはちょっと違うかもしれないですけど、WALIVEですかね。
高瀬:あれもブチギレ!
佐藤:地下のエントリー制のライブで、ベテランのプロの芸人さんが沢山出てて。1年のときは何のライブに出たらいいかわかんないし、ライブもあんまり呼ばれないから、とりあえず目についたエントリーライブに出てたんです。
高瀬:周りもちょこっと出てたんだよね。でも実際に出たらどうしようもない地下芸人しかいなくて。
佐藤:でもあれは自分たちも別にウケなかったし、悔しいとは違うか。
高瀬:ブチギレで雨に濡れてる自撮り残ってるよ。これ傘持ってなかったのかな(笑)。
佐藤:今の自分たちにはどうにもできないんだなと思っちゃった(笑)。
—先ほど何人かのお名前が出ていましたが、同期で特にライバル視したり面白いと感じたりする学生芸人さんはいらっしゃいますか?
高瀬:みんなだけどね。アカデミー賞とかはお互いリスペクトしてる。
でも、やっぱり(LUDO同期の)ワンウィークですかね。
両極端なことをしてるし、ワンウィークのネタは暁天にはできないからすごいという思いもあるし、逆に自分たちのスタイルでは負けたくないとも思ってます。
—ワンウィークさんとは2年のNOROSHIに同じチームで出場されたり、ツーマンライブを開催されたりしていますよね。
高瀬:はい。初めは2年の夏に1回ツーマンライブをやりました。
佐藤:ツーマンでもアンケートでネタの順位出したんですけど、微妙に勝ててなくて悔しかったんです。
高瀬:その後2年のNOROSHIで組んで、4年ではまたツーマンを再開して。ずっと一緒にやってきてますね。
お気に入りのネタ5選
—暁天さんの中でお気に入りのネタはどれですか。
高瀬:これ前にどこかでせーので言って2人で揃ったんだよね。しかも大会用のネタでもなんでもない「おばあちゃん子」っていうネタで。
前半は普通におばあちゃんと孫のボケみたいなことをやるんですけど、後半で急におばあちゃんが「私たちが若い頃はもうなんといっても犬が汚かった」って言い出して、ずっと犬が汚い話をするっていう変すぎるネタです(笑)。
「あかねちゃんが大きくなる頃には犬がもっと綺麗になるんだろうねぇ」って、おばあちゃんが犬について汚いか綺麗かという尺度でずっと話すっていうネタ。
2年の冬にストロングブルジュニアとナユタとスリーマンライブをやったときに、よしき(ストブル佐々木)から「おばあちゃん」というお題をもらって作ったんです。
佐藤:そうだったね。あれ好きだなあ。
高瀬:このネタを作ったときのことめっちゃ覚えてます。お茶ノ水の星乃珈琲店で、面白すぎて2人で溶けてました(笑)。
あとは、「蛇受験」のネタ。YouTubeには「逆転合格」って名前であげてるんですけど、私たちは蛇受験って呼んでます。
前半は普通に受験勉強のネタをしてるんですけど、急に後半のお参りシーンで「蛇に食べられませんように!」って言い出す(笑)。動物が出てくるネタが面白いかもしれないですね。
おばあちゃん子のテーマで普通は犬とか出てこないし、受験のネタで普通は蛇なんて出てこないんだけど、なんか出てきちゃう。
あと、「ランドセル」もお気に入りで、一番いいネタかなと思ってます。
佐藤:私は「大きい石」が結構好きだな。
高瀬:これは私が何も浮かばないときに、ラウが突然インディージョーンズみたいな大きい石を支えてる映像だけが浮かんで、「大きい石が出てくる漫才をしよう」ってお告げを受けたみたいな作り方をしたネタです(笑)。
佐藤:あと、「トロッコ」はやっぱり思い出深いな。好きというか、あれで現状打破した感じがありました。
高瀬:この間のNOROSHI終わった後、堤から「初めてトロッコのネタ見たとき本当に悔しかった」ってLINEが来た。
佐藤:堤はずっとめっちゃアツいんだよな。
高瀬:これは、2年の夏にワンウィークとのツーマンに向けて作ってたときにできたネタです。
それまで「この人がこれ言ったら面白いかな」ぐらいの感覚で薄いネタをやってたんですけど、このネタで初めて「軸とバラシ」みたいなものがしっかりできました。
佐藤:そうだね。しゃべくり漫才と言えるものができた。
高瀬:これで初めてM-1の2回戦も行けましたし。
—4年間を経て、相方に伝えたい事はありますか?
高瀬:私は、ネタを作るときに「絶対にこうしたい」みたいな我がめちゃくちゃ強くて。人が作ったネタをやりたくないというのもあって、他のコンビはあまり上手くいかなかったんです。だから、自分が面白いと思うものを一緒に面白がってくれる人がコンビでい続けてくれたのが、本当にラッキーだったなと思います。
あと、いつも私は新ネタをやるのがめっちゃ怖くて、楽屋とかで「ウケなかったらどうしよう」とか怖いな、やばいなってずっとうだうだ言っちゃうんです。でも、ラウは必ず「いや、これは面白いから大丈夫」って言ってくれて、実際にスベったり負けたりしたときも「このネタ面白いけどな~」って言ってくれます。そうやって悲観と楽観のちょうどいいバランスでやってこられたのがありがたいと思いますし、私の面白いと思うものを信じて一緒に戦ってきてくれて、感謝してます。
佐藤:うわ~、嬉しい!
私は……そうね。私も最初はもっと自分でネタを書きたいと思っていて、どんどん(自分が書く)割合が減っていったときに「嫌だな」と思うこともありました。でも途中から、高瀬は私がやりたいことを私よりも先に努力してやってるんだろうなと気づいて。その部分のわだかまりはなくなりましたね。
最初から面白いと思ってたけど、努力し続けてくれてありがとうって感じ。本当にすごい。
—差し出がましいようですが、とてもバランスのいいコンビなんですね。
高瀬:バランスがいいというのはずっと言われてきましたね。多分周りが言ってるのはネタのキャラクターのバランスだけど、性格のバランスもめっちゃいい。
暁天のこれから
—今後の活動についてもお伺いしたいのですが、おふたりとも就職される予定ですか?
高瀬:そうですね。でも勤務地は隣の駅なんです(笑)。
—そうなんですね! コンビ活動は、社会人になっても続けられるのでしょうか?
高瀬:はい。犬派さんぐらいが理想かな。
佐藤:そうだね。もし後輩に呼んでもらえたらめっちゃ出たいです。no寄席とか出たい!
高瀬:最後の大会ネタが集大成であり挑戦だったので、ここからまだ面白くなりそうな気がしてて。
だから、そんなに忙しくなくなって、新ネタが思い浮かんだらまたやりたくなるんじゃないかと思ってます。ただ、それとは別に私は新道さんから4月6日の大喜利とトークライブのオファーをいただいてて、働き始めて最初の日曜日にはもう会議室にいます(笑)。早すぎる。
また見たくなったら呼んでください。日曜とかだったら多分出れるんで。
—最後に、大学お笑いの後輩や、これから学生芸人をやりたいと思ってる人へのメッセージをお願いします。
高瀬:まず一旦「女の子はこちらへ」って書いて、noteのリンクだけ貼ってください(笑)。
それ以外だと、NOROSHIが終わった今だから言えることで、負けたやつが言うことじゃないけど「大会が全てじゃない」。ずっと大学お笑いで愛されたいと思ってやってたけど、別に勝つから愛されるわけでもないし。結果よりも、自分が本当に面白いと思うことを追い求めてください。特に町田へ。
—佐藤さんはいかがですか?
佐藤:なんだろう。最初は、色んなことを試してみてほしいです。
あと、他の学生芸人のライブを見に行ってほしいかも。私たちの代はガクコメとかもみんな沢山見に行ってて、それがみんな面白くなった原因な気がするんです。
他の人のネタを見ないと思いつかないボケって多分あるので。いっぱい見に行ってほしいです。
—おふたりとも本当にありがとうございました! 今後のご活躍も心より応援しております。
「こわらいぶ」応援チケット企画とは?
2月15日に開催した「大学お笑いのメディア KO(WARA)」主催ライブ「こわらいぶ」にて
「こわらいぶ応援チケット」をご購入いただいた皆様からリクエストいただいた
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ご購入いただいた皆様、本当にありがとうございました!