吉田しいまろインタビュー 自分と仲間を信じ続けた4年間

戦友・アヤノスーパーカー

—『東西女芸人決戦』のライブを開催されていましたが、印象に残っているエピソードなどあればお聞きしたいです。

吉田:『ビビビ』っていう、大阪の同期が東京ゲストを5組ぐらい呼んでやっているライブに1回呼んでもらったんですけど、それが本当に楽しかったんですよ。関西の子たちがみんな優しくて、観光案内もしてくれるし、みんなが東京に来たとき私たちは何にもしてあげられてないのにもう至れり尽せりで。面白くて、喋りもすごい達者で、その中心になってくれたのが天下茶屋とアヤノスーパーカーでした。それで関西が大好きになって、実は大阪に就職するんですけどそこにも繋がってて。同期と話すのが楽しいなと思えたきっかけにもなりました。

 あと、アヤノも私もお互いに「多分ちょっと似てないか」「方向性同じじゃないか」って感じてた部分があって。私は隠れ人見知りなんですけど、アヤノも意外と人見知りだなって話したら分かったんですよ。私が唯一心を許せる同期はしおりんぐらいなんですけど、しおりんは2人の共通の友達でもあって、その友達に土井ちゃんがいて。その4人が一番何でも話せる仲なんです。それで、4年になってまだ主催をしたことがなかったので、(アヤノスーパーカーさんに)一生懸命「どうですか?」ってLINEを送ったら「待ってたわ、ほんまありがとう。嬉しいわ」みたいに即OKしてくれて、そこから半年かけてライブを作りました。
 ライブでも「こんなウケていいんだっけ?」というぐらいウケさせてもらって、企画も天下茶屋とかが来てくれて本当に盛り上がりました。パンスト相撲とか熱湯風呂とか、やりたかったことをやれたし、それを一緒にやってくれる人がいるのが嬉しくて。アヤノじゃなかったらやってないですし、「次何する?」「お風呂もっと熱くしよ」とか、2人とも意欲的でした(笑)。

パンスト相撲の様子

 わさび寿司を食べたときに、初めて顔でウケることができたんですよ。その顔が本当にやばくて「肛門3つの顔」って言われて。女子大生の顔史上一番ウケたって言われました。そこで生まれたネタでNOROSHI(?)の準決勝まで行けたのも大きいです。

 アヤノはライバルとかじゃないですね。「戦友」です。すごく尊敬できるし良いやつで、私にとって今挙げた子たちは結構他の同期と違うかも。その人たちが私の素を受け入れてくれたから、ピンでこうやればいいんだというのが分かるようになりました。素を出せる同期がいてよかったし、面白いって言ってもらえてよかったです。みんなのネタも大好きだし、友達ですね。本当にありがとう(笑)。

東西女芸人決戦での写真

O-keisに抱く感謝と慢性的な悔しさ

—4年間の中で一番嬉しかった瞬間を教えてください。

吉田:なんでしょうね……。一番嬉しかったのは最後ですね。NOROSHIにゴーゴーヘブンというチームで出させてもらって、めっちゃウケたんですよ。もちろん私だけで作ったネタではなくて、チームのメンバーみんなで作ったネタなんですけど、めっちゃウケて本当に気持ちよくて(笑)。私が大好きで面白いと思ってる人とチームを組んだし、その人たちが面白いと言ってくれることをやって、みんなで面白いと思ったことをこんなに大人数に評価してもらえたので。私のO-keisでの4年間や、やってきたお笑いとか全部が報われた気がして、間違ってはなかったのかも、全部活きてたのかもって思いました。集大成として達成感があって、めちゃくちゃ嬉しかったです。

NOROSHI2025に出場したチームゴーゴーヘブン

 でも、決勝には上がれなかったので、心残りはあります。私の考えたことないネタの作り方をみんなが教えてくれたからこそ私のネタはできたんですけど、逆に私がみんなに何もできてなかったなと思います。

—逆に4年間で悔しかった瞬間はいつになりますか?

吉田:一番悔しかったのは……でも、ずっと悔しかったです。慢性的に悔しい。ずっと負けてるような気持ちです。結局何のタイトルも取ってないんですけど、最後の1年間はやりたいことを本当にまっすぐできたから、嫌なことがあっても楽しかったし、ウケなくても別に「これが私だから」と思ってました。

 でも、それまではずっと大学お笑いの人の気持ちが分からなくて無理やり合わせる作業をしてたり、自分がやりたいこととはちょっと違うことだったりもしたりしました。それでウケなかったり評価されなかったりすると「何がいいんだよ」ってなって。例えば「私が面白いと思うのはこっちなのに、違う方が評価される」みたいな、自分の考えと合わない部分に常に悔しさを感じてました。私が行きたいと思って入ったコミュニティで、私の考えと違うのはもどかしくて、最初の3年間は慢性的に悔しかったです。「殺してやる」って思ってネタ作ってましたし(笑)。だからずっとですね。

—4年生になってモチベーションが変わったのは、最後の1年という環境が大きかったのでしょうか?

吉田:それもありますし、やっぱり後輩の存在ですね。本当に全員いい子たちなんですけど、特に今の3年生(18期)は私の良さも悪さも全部分かってくれてて、全部教えてくれるんですよね。後輩たちのおかげで自分を俯瞰できたし、自分のあるべき姿を見失わずにいられました。みんな面白いから影響を受けて、刺激も受けて、悔しいな、負けないぞってやってましたし。

 あとはO-keisの同期です。私は誰よりもずっと同期をライバル視してて、そいつらに負けるのも悔しいし、先輩が私よりそいつらを評価するのもずっと悔しかったんです。「なんで? いや絶対私の方が面白いけど。分かってないわ」ってずっとやさぐれてたので、何なら他大の子よりも心を開けてなかったかもしれないです。ドラゴンレッドの2人、松枝七味、伊藤(伊藤真剣ピーナツ)とか、尊敬してるからこそ負けてるのが悔しくて心を開けないみたいな状態でした。

 でも、4年になって少しずつピンを再開したら、すごく褒めてくれたんです。まっすぐ「面白いよね、吉田って」とか「吉田ってやっぱりカリスマだよね。スーパースターだよね」って言ってくれて。嘘つけよと思ったけど本当に思ってくれてて、全部見てくれてるし、考えてくれてたっていうのを知って、私だけ一匹狼みたいになってたんじゃないかって。

 O-keisの同期も後輩も「私のこと見てくれてたんだ。じゃあもう自分のやりたいままに突き進んじゃえ」って思わせてくれた存在です。ライブや大会にも出るたびに「あれ良かったよ」と言ってくれて、本当にありがとうって思ってます。基本O-keisのおかげですね。やっぱりO-keisが評価してくれるのが、O-keisに笑ってもらえるのが一番嬉しい。それをモチベーションにできたのが、最後の1年を頑張れて楽しい時間に変えられた要因かなと思います。楽しかったです。

—しいまろさんは外部ライブにも積極的に出演されてきましたが、やはりO-keisというサークルの存在が結構大きいんですね。

吉田:結局O-keisですね。全員から「姉さん」って呼ばれてるんですけど、そう呼んでくれてありがとうって感じです(笑)。必要とされるのが本当に嬉しくて、O-keisのために頑張りたいし、O-keisのみんなのためにできたらと思うので、少しでも背中見せられたらっていう気持ちでやってます。

みんなが信じている“O-keis”

—しいまろさんから見てO-keisはどんなサークルだと感じますか?

吉田:みんなO-keisを信じているイメージがずっとあります。先輩も卒業していくときに「どんなちっちゃくなっても、どんな形になってもいいからO-keisを残していってほしい」って皆さんが言ってるし、OBの縦の繋がりが結構あるんですよ。私は17期なんですけど、1期、2期のOBの方が今でも普通に顔を見せに来るんですよ。

 毎週土日になると、男だけなんですけどO-keisの野球部やサッカー部に数々のOBや現役生が参加されてるみたいです。ありえないぐらい繋がりがあって、「あなた社会人ですよね」みたいな人が今でもめっちゃ関わってる。

 周年ライブもOBがやりたいっておっしゃってくれて、すごい頻度でやるんですよ。私たち現役生というよりOBが積極的で。OBもネタをやるし、「まだお笑いやりたいし、みんなと関わりたい」って言って打ち上げのお金を全部出してくれます。「なんでそんなにできるの?(笑)」と思うんですけど、そのぐらい色んな人にとってO-keisはすごく大きな存在なんだろうなって。
O-keisは良くも悪くも色んなことを面白がれる人たちなんです。良くない部分もめちゃくちゃあるんですけどね。本人がコンプレックスに思ってたこととか、「これは面白くはできないよな」って自信がなかった部分を、色んな人の笑いに変えてあげられるコミュニティではあります。

 1年生でサークルに入ると、すぐに「お前こういうとこ面白いね」と言って先輩が見つけてくれるんですよ。それが本当に嬉しいんです。自分の何が面白いかってあんまり言語化できないじゃないですか。自信があるからお笑いやってみてるけど、やっぱり分かんないっていうときに、「こういうのが面白いよ」とか「こういうところでこれをやったら面白いんじゃない?」とか言ってくれます。だから隙あらばみんなで中華を食べに行ったり飲みに行ったりして、学祭の打ち上げでは20次会までやって3泊して、へとへとになって体調崩して、意味分かんないですけど(笑)。

 でも、先輩たちが残してくれたものを尊敬してるし、大好きだし、面白いと思ってるから、自信を持って「O-keisです」と言えます。一言で言うのは難しいんですけど、みんながO-keisの先輩や自分たちを信じてるサークルなんじゃないかな。兼サーしてても、みんな結局O-keisだけになるんですよ。O-keis1本の大学生活を送る人がほとんどなので、それだけ大きい存在なのかなと思います。

O-keisのみなさん

—先ほどのお話で「先輩から見つけてもらった」とおっしゃっていましたが、具体的に先輩とのエピソードをお聞きしてもいいですか?

吉田:私はずっと、自分のことを普通の女の子だと思ってたんです。普通の女の子だから、普通の女の子ができる範囲でコントと漫才をやって、サーヤさんみたいになって、サーヤさんはカリスマだから届かないけど、少しでも近づきたい。元々そういう感じだったのに、「え、何言ってんの。全然違うよ。やばいよお前。」ってすごい言われて(笑)。最初は、え?ってびっくりしたんですけど、すごくいじってくれるので、これが私には向いてるんだというのを要所要所で教えてもらいました。
ピンの方向性も最初は怖かったんです。大学お笑いに反していることをしてる自覚があったので、谷川さん以外誰もいないよと思って不安でしたけど、先輩が「それやれよ。めっちゃいいよ」と言ってくれたんです。
 会話の中で学ぶことがめちゃくちゃ多かったです。みんな朝まで喋りだけで飲める人たちなんですよ。こんなにずっと話が面白い人たちいないと思ってるので、そうやって話してる中で、自分のいいところも悪いところも指摘してもらってます。「めっちゃおばちゃんだよ」とか、「古いよ」とか。

 元々ドリフとか昭和歌謡とか昭和が好きだったんですけど、私は趣味で好きなだけだとずっと思ってて。でも実は私自身が人間として古いらしくて、「おばちゃんだよ」って教えてもらいました。そこからおばちゃんみたいなネタをやったり、古いところを活かしたりしましたね。

後輩は良きライバル、刺激になる相手、お笑いの先生

―後輩に対しても逆に何かを見つけてあげるような形になりましたか? 

吉田:私は後輩のために何もできてないんだよな。後輩が本当にすごいので、負けず嫌いすぎて何にもしてあげられなかったんですよね。私はもう、遊びに誘うとかそういうことしかできないから。色んな時間を過ごしたし、ネタ以外のことではいっぱい楽しいことができましたけど、ネタに関しては「私は遊び、堤とかがネタはやれよ」って勝手に思ってました(笑)。
後輩に聞いてみたいですけね。面白かったとは言ってもらえるんですけど、何も残せてはいないと思います。後輩には「変な人すぎて、後継者は多分できないです」みたいに言われてて、少し寂しいんですけど。後輩は良きライバルであり、刺激になってる相手で、私にとってはお笑いの先生なので私は何もできてないです。本当に申し訳なかった。

―イチ押しの後輩芸人を教えてください。

吉田:……全員面白いんだよな。挙げきれないです。

 山北連太郎は本当にすごいです。あんなに面白いやつはいないと思います。あいつと中村倫太郎が、私の今回のNOROSHIのネタをほぼ作ってくれました。もうずっとすごいって伝えてるんですけど、「いやゼロイチで『ハードレズ』って言葉出てくる吉田さんの方がやばいっす。あんたが一番です」ってすごい慕ってくれます。お笑いを教えてくれるし、一緒にネタをやっても楽しいです。

 君達を呼んだのは他でもないの3人は本当に大好きです。めっちゃいい奴らだし、めっちゃ面白いし。3人がそれぞれ違う方向性のお笑い戦士なんですよね。えいじもめっちゃ変なやつなんですけど、めっちゃ面白いです。何もできなくて。私と学祭でやったネタが大好きらしくて、次はいつやりますかって言ってくるんですけど、指導せど指導せどキャラが上手くならなくて(笑)。

 あと、攻守マンチカンのいふぁとしょうこですね。2人とも繊細でいい子だから、あんまりまだ外に出せてない部分が多いと思うんですけど、めちゃくちゃ面白くて。部室でずっと喧嘩してるのを見て2人の掛け合いが面白いと言ったら、それをネタにしてくれました。だからもう素が面白くて、ネタも面白いんです。

あと藤原(点々)も大好きですね。新歓で私のネタを見て入ってくれたらしくて、それはとても嬉しかったんですけど、私にないものがありすぎるので悔しくて、情けないことに全然可愛がれていなかったんです。堤の方が代表同士(17期代表:堤さん、18期代表:藤原さん)で繋がりがあると思ってたら、彼が「寂しいです」って言ってくれて。それで「可愛い!」と思ってから、ずっと何するにも一緒です。藤原が「吉田さん、こうした方がいいです」って教えてくれたり、しんどいときも一緒に飲んでくれたりする存在です。めっちゃ面白くて、本当に有望。

 カオスネルドラントの田代はすごいです。プロに行くらしいんで、見物ですね。本当に期待してます。達者だしノリがよくて、何にするにも貪欲に吸収できるやつなんですよね。ネタでも言い方とか細かいところまですごく上手で、考えてることも面白くて。九州の男なので根性がすごい。熱いんですよ。田代は絶対売れます。

 あと、カズヒラカズ。あいつは可愛いですよ。変なやつで、何にもできないんです。「なんだこいつは」と思ってたんですけど、ずっとネタの相談とかしてくれて。悩んで苦しんだ時期を経て今は自分の力で立って、良いネタを作れるようになったのが本当に嬉しいんです。やっと見つけたな、成長したなと感じました。努力できるので、きっと売れると思います。何させても面白いです。

 銀閣寺の宮川も面白い。私の飲み友達なんですけど関西のいい男ですよ。お笑いもめちゃくちゃ分かってるし、人情があって熱い男です。私は「吉田さん、ついてきます!」みたいな熱いやつが好きなので、そういう奴らばっかになっちゃうんですけど(笑)。

 あと、2年生の神戸っていうやつもいいです。去年(2024年)の芸会で30%ぐらいとったんですけど。私が後継者を決めるならこいつだと思ってるやつです。絶対に何かしらやってくれると思うので、一番覚えておいてほしい名前ですね。めちゃくちゃ面白い。こいつも九州の男で、とにかくボケるし、後輩ができるんですよ。面白いことをしろって言ってないのにしてくれるし、振ってくれるし、いじってくれるし。「しいまろ軍団」って言ってくれてます。 でも、私は本当に後輩のことが全員好きだし、全員尊敬してるし、みんな好きです。長くなっちゃった(笑)。

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