チームJOYSOUNDpresents 学生芸人晩夏のカラオケ大会 振り返りレポート前編

大学お笑い最大の個人戦である大学芸会が終わり、そのほとぼり冷めやらぬ9月3日。下北沢のとある劇場ではもう一つの戦いの幕が開けようとしていた。

その名も、『チームJOYSOUNDpresents 学生芸人晩夏のカラオケ大会』

大学お笑い最大のカラオケ大会である本大会も今回で三度目を迎え、今まで以上の盛り上がりを見せる2時間となった。本記事では、そんな学生芸人晩夏のカラオケ大会の模様をたっぷりとお届け。大会終了後の決勝進出者インタビューもお見逃しなく!

大会概要

ライブ名:チームJOYSOUNDpresents 学生芸人晩夏のカラオケ大会

開催日:2024年9月3日

会場:しもきたドーン

大会レポート

9月3日、しもきたドーンでは超満員のお客さんが『津軽海峡冬景色』をはじめ過去優勝者の客入れBGMを聞きながら新たな戦いの幕開けを待っていた。

そしていよいよライブ開始。明転とともにSMAP『SHAKE』のイントロが流れ出す。すると歌いだしと同時に舞台袖から現れたのは、MCのシルクド至上主義(Gotta Go!!、ホリコシ)の2人。随所でモノマネも挟みつつ元気に歌う2人の姿に客席からは自然と手拍子が起こり、会場のボルテージはいきなり最高潮へと高まった。

『SHAKE』のワンコーラスを歌い終えると、そのままシルクド至上主義によるオープニングへ。過去3回の記憶を振り返りつつ大会のルールを説明する。

本大会では、1ブロックごとに7組のユニットがパフォーマンスを行い、各ブロック終了後に「最も心に響いた2組」に投票する。このとき、「上手かった」「面白かった」といった理由のみで選ぶのではなく、あくまで「心に響いたかどうか」が審査基準になるのがこのライブのポイント。大会のルールや過去に起きたエピソードを完璧に把握して話すGotta Go!!の熱量はすさまじく、その記憶力の良さにホリコシが驚く場面も見られた。

さらに、本大会は撮影・声出しが自由となっており、会場全体でパフォーマンスを盛り上げることが重要。早速ホリコシによるコール&レスポンスが行われ、「Are you ready?」の掛け声に客席が「Yeah!」と気合十分の様子で応えた。演者・観客ともども準備が整ったところで、戦いの火蓋が切られる。

Aブロック

1.ドバイかわさき

平井堅『瞳をとじて』

1組目はドバイかわさきによる単独パフォーマンス。ピアノのイントロとともに舞台中央のライトに照らされたマイクの前に現れると、瞳を優しく閉じてゆっくりと歌い出す。時折左手をおもむろに上下しながら音程をとる姿は本家のパフォーマンスを髣髴とさせ、繊細なエッジボイスと裏声も本人さながら。観客はその歌声にうっとりと聴き入り、歌い終わった直後には感嘆のあまり静寂が流れた。

2.スイーツツ

米津玄師『感電』

サックスとマイクをそれぞれ持って登場したのは、2組目のユニット・スイーツツの2人。サックスのソロ演奏のあと、「感電!」というシャウトとともにイントロが流れるというおしゃれな演出でしっとりとした会場の雰囲気とがらりと変える。力強い歌声とサックスの低音の相性は抜群で、サビに差しかかると自然と客席からは手拍子が生まれた。

3.山田ブギウギとろくでなしゴダール

MOROHA『革命』

3組目は山田ブギウギとろくでなしゴダールによるソロパフォーマンス。イントロを神妙な面持ちでじっくり待つと、FIRST TAKEで見覚えのあるボーカルマイクの前に立ち、渾身のシャウトを始める。テンポアップとともに咆哮も激しさを増していき、その必死の形相に観客も前のめりで耳を傾けていた。

4.ベジタブルジッパー

FRUITS ZIPPER『わたしの一番かわいいところ』

5.ジョン・レ・のん

星野源『アイデア』

赤い蝶ネクタイに白シャツで舞台上に現れたのは、5組目のジョン・レ・のん。「今日はギャグしません!」と高らかに宣言すると、深く響き渡る歌声で歌い出した。メロディの高低差が激しく難易度の高い楽曲を、ビブラートと地声を駆使して爽やかに歌いこなす。反則ギリギリのフル尺歌唱に、間奏でギャグを挟んでしまうワンシーンも見られたが、そのギャップに客席は終始夢中になっていた。

6.RYUSEI WAGON

ゆず『夏色』

シャツにアコースティックギターを抱えて登場したのは2人組ユニットのRYUSEI WAGON。息ぴったりの演奏は会場に涼しげな夏の風を吹かせる。サビでハモリをきかせると完成度の高さに観客たちはすっかり聴き入っていた。コーラスの歌声の大きさに主旋律が食われるという小ネタもはさみつつ、笑いと歌唱の両方で観客の心をつかんだ。

7.チートイツ斎藤

忘れらんねえよ『戦うときはひとりだ(マイナビバイトver.)』

Aブロック最後は、単独パフォーマンスのチートイツ斎藤。「手拍子もらってもいいすかあ!」と客席を煽り、熱量そのままに歌い出す。センターマイクを握りしめて「マイナビバイトで探せ!」と叫び、間奏ではスマホアプリに内蔵されたギターをかき鳴らすことでシュールさと歌唱のアツさを兼ね備えたパフォーマンスを披露した。

Aブロック結果発表

Aブロックの7組が終了すると、再びMCのシルクド至上主義が登場。1組ずつパフォーマンスを振り返る。前回王者のよもぎ餅太郎がモノマネで優勝したことから、傾向と対策を練ってモノマネを仕込んできたドバイかわさきや、山田ブギウギがカラオケ大会で歌っているのを聞いて初めてMOROHAを知ったGotta Go!!など、大会の裏エピソードは尽きない。

そして集計結果が発表。2位と3票差という僅差でベジタブルジッパーが決勝に進出した。

名前を呼ばれた瞬間に大きなガッツポーズと咆哮で舞台袖から登場する3人に、ホリコシが「芸会決勝の喜び方」と指摘。ヨネモチは「もうベジタブルジッパーしかなくて。ベジタブルジッパーがなければLUDOをやめていたかもしれない。もう4年生で今年が最後なので頑張ります」と決勝への意気込みを語った。

そして次はBブロック7組のパフォーマンス。と始まりかけたところで、MCの2人から「出場予定だったこころが喉を壊して出られなくなってしまった」との情報が。ブロックによって出場者数にばらつきが生じると大会の公平性が保たれない。会場全体に暗雲が垂れ込めた矢先、舞台袖からチャーシューくんが現れた。「じゃ……俺歌う?」とバイト先の頼りになる先輩のごとく名乗り出ると会場からは大きな拍手が送られ、波乱の展開でBブロックが始まった。

Bブロック

8.ゆるふわ冬至

T-Pistonz『立ち上がリーヨ』

Bブロック1組目はピンのゆるふわ冬至。イナズマイレブンでおなじみのユニフォーム姿にマント代わりのブルーシートを身にまとって登場すると、マイクを握りしめて必死に歌い出す。パフォーマンスの力強さに誘われて客席からもイナイレお決まりの合いの手が入り、ますます会場を盛り上げ、快活な歌でBブロックのスタートを勢いづけた。

9.出たがりチャーシュー

サンボマスター『世界はそれを愛とよぶんだぜ』

続いて全員がメガネに白シャツの姿で各々の楽器を持ち登場したのはBブロック2組目の出たがりチャーシュー。「この中の誰かがサンボマスターです‼」と星野が叫ぶと客席からは笑い声があがる。3人それぞれが順番にセンターマイクの前に立ち全力の歌唱を見せ、バイオリンを弾くと見せかけて地声でストリングスパートを歌うさっそ、手拍子を煽る星野など三者三様のサンボマスター山口を演じた。

10.いむ頓知

円広志『夢想花』

Bブロック3組目はいむ頓智によるソロ歌唱。赤いバラのシャツに渋い銀縁メガネで現れ、客席をゆったりと見回す。優雅な動きと低く力強い歌声で「とんで とんで」と歌う姿は宝塚スターのようだった。サビが終わるフリを何度か繰り返し、「そして、夏が終わる……」と呟いて消える独特のパフォーマンスも観客を驚かせた。

11.YUKUBOMO

DA PUMP『if…』

続いて登場したのはユクトモとクボによるユニット、YUKUBOMO。ユクトモが学生芸人カラオケ大会の皆勤賞でもある常連組だが、今回はスカジャンや柄シャツに身を包みHIPHOPユニットの装いで登場する。息ぴったりのラップと煽りを披露し、フロアを沸かせた。

12.チャーシューくん(こころ代演)

CHAGE and ASKA『SAY YES』

こころの代演として急遽登場したBブロック5組目のチャーシューくん。サングラスに柄シャツという急ごしらえとは思えない装いで現れ、舞台袖にいるスタッフとアイコンタクトをとったり長めのビブラートを響かせたりと大御所演歌歌手のごとく振る舞う。サビではハンドマイクを口から離し地声で歌い始めるが、時折マイクで歌声を拾うフェイントも仕掛けて笑いも忘れないパフォーマンスで観客を魅了した。

13.セントラルゲート

岡崎体育『MUSIC VIDEO』

Bブロック6組目はセントラルゲート。岡崎体育の代表曲を、歌唱はもちろんMVの動きと振り付けまで再現して会場を沸かす。Bメロのラップパートでは独特のピッチと表情まで本家を完コピして笑いを誘った。

14.tky

シカ部『シカ色デイズ』

Bブロックのトリを飾ったのは、ソロで出場したtky。舞台上に現れるも、センターマイクの前で不安そうにうつむき立つ。客席に微かな戸惑いが走ったのも束の間、話題アニメのOPテーマのイントロがかかると急に高音で歌い始めた。柔らかい裏声も相まって終始独特なオーラを放ち、会場をシュールさで包んだ。

Bブロック結果発表

波乱の展開となったBブロックが終了すると再びシルクド至上主義による中MCに。このライブのために北海道から飛んできたセントラルゲートなどに触れつつ、各ユニットのパフォーマンスを振り返る。
そしてあっという間に結果発表へ。Bブロックは2位以下と圧倒的な大差をつけて、出たがりチャーシューが決勝へ進出した。名前を呼ばれた瞬間に3人はジャンプで舞台上に現れ、サンボマスター山口のごとくそれぞれ喜びを爆発させる。

A、Bブロックの決勝進出者が出揃ったところで、早くも予選は後半戦へ。

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