4年漫才師の”戦友”座談会Vol.2 「エリート」「こりゃやられた」3年間を共にしたライバルへの思い

3回にわたりお届けしている、グラマラスグランマ×ナユタ×ノコノコみさきのインタビュー。
第2回では、各コンビへ他の2組が抱く思いや印象深いエピソードを伺いました。

数々の大会やライブでライバルとして切磋琢磨しあう3組の互いに対する率直な評価や憧れ、そしてまさかの「罪人」という言葉も飛び出し……!?

取材概要

取材日:2024年7月某日

取材に参加いただいた皆さま(敬称略):

ノコノコみさき

カツラギ リキト(写真左上)

千明大河(左下)

グラマラスグランマ

(中央上)

あずきたろう(中央下)

ナユタ

おのはら(右上)

ホリコシ(右下)

2組とも負けた対決ライブ

──今回は、それぞれ他の2組についてどう思っているかをお伺いします。
コンビや一人ひとりに対する第一印象、過去の印象深いエピソードなどをお手元のスケッチブックにご記入ください。

千明:俺らは1年生の最初から組んでたからいいけど、2組は途中から組んだから難しい。この2組になる前から各々知ってたから。

:特に俺ら(グラマラスグランマ)は組むのが本当に遅かったんで。各々と別のコンビのときから仲良かったので、グラマラスグランマとしての第一印象は難しいかな。

千明:(門は)春天狗のイメージかも。

:たしかにね。春天狗というコンビも昔組んでいたんですけど、おのはらが組んでるロンシャルドも同期でめっちゃ仲良くて。ライブで一緒になって一緒に負けたり。

おのはら:対決ライブでね。

:そうそう。春天狗とロンシャルドの対決ライブをして、2組とも負けるっていう。

あずきたろう(以下あずき):勝者がいなかった。

おのはら:引き分けでもなく、どっちも負けとされた。

ノコノコみさきの漫才コントは「同期で一番」(グラマラスグランマ・ナユタ→ノコノコみさき)

千明:書けましたか。

4人:はい。

──では一斉にお願いします!

回答

あずきたろう「最終コーナーの滝の水流で、意外と落ちない」

門「コント漫才じゃ勝てない」

おのはら「埼玉シェフ」

ホリコシ「エリート」

一同:おお~。

:(あずきの回答を見て)……あぁこれ、マリオカートのノコノコみさきだな。

一同:(爆笑)

あずき:最初走ったときの印象。

:意外と(コースの初めは)飛ばないけどね。

千明:タイム出そうとしても、飛んでるとなかなか難しい。

:いや、そういう場所じゃないです。

ホリコシ:細い方のペンでボケたのもおもろいな。

ホリコシ:僕は、1年生の頃にクワトロジャンキーやへっぷば~んが出ていた対決ライブで初めてノコノコを見て、「こんなに面白い人たちいるんだ」って密かに1年生の頃から注目してました。
1年生から今まで、大会の結果で言ったらノコノコが正直ダントツなんじゃないかな。
今もそうだし、ずっと結果を残し続けてるのが本当にすごいなって思いますね。面白さのクオリティもどんどん上がってるし。
うん。本当にすごいな。

クワトロジャンキー:早稲田大学お笑い工房LUDO23期の漫才コンビ。

へっぷば~ん:あずきたろうが組んでいる別の漫才コンビ。一橋大学お笑いサークルIOK所属。

千明:うれしい。

カツラギ:本当にうれしい。

ホリコシ:正直マジで、めっちゃ尊敬してます。

千明:ええ? マジで。 ……ま?

ホリコシ:イヤな言葉(笑)。

──おのはらさんお願いします。

千明:ふざけてんだろ。

おのはら:いやいや、 本当に一番印象に残ってるんだよこれ(埼玉のシェフ)が。
ノコノコの中でベストボケだと思う。

千明:そうかあ? もう1年生の頃よ。

おのはら:「領土拡大した川越シェフ」っていうのが、もうねえ。
1年生の頃、俺が最初に見たノコノコのネタですね。やっぱそのときから面白いなと思って。本当にすごい。強い。本当に教えてほしい。

ホリコシ:そう、言ってるもん。漫才コントやるときに、「ノコノコみたいなパワーは俺らには出せない」って。「ノコノコに見劣りするから漫コン(漫才コント)やめよう」とか。

漫才コント

「○○に行ってみたい」「××してみたい」などの導入から始まり、ボケが架空の設定上でコントのように演技する形で進められる漫才のこと。

カツラギ・千明:えぇ!?

ノコノコみさきを絶賛するナユタ

:(言いたい事)全部言われたな。

おのはら:(笑)。その話がこれ(門の回答)に繋がってくるんですけど。

:はい(笑)。僕は3年生の(大学)芸会でサッカーのネタを見て。
コント漫才ってすごい自由じゃないですか。「好きな設定を振って、それをやってみてツッコむ」っていう自由なジャンルだからこそ、本当に面白くないと目立てないし勝てない。

そのなかで、大学お笑いの同期ではノコノコみさきがコント漫才できっと一番面白いから、(自分が)コント漫才をやってもノコノコみさきには勝てないなと思って。だから、前のコンビでも今のコンビでもコント漫才のスタイルは全然取ってないです。

──なるほど。ありがとうございます。

千明:照れるなぁ。

あずき:(無言でスケッチブックを掲げる)

マリカーの「ノコノコみさき」の第一印象を語りたいあずきたろう

:これはいいです。

あずき:え、俺が初めて(マリカーのノコノコみさきを)走った感想。

おのはら:第一印象ね。

:これはどっち?(マリオカート)7か8か。

あずき:これは7。

千明:3DSのほう?

おのはら:Wiiじゃないの?

あずき:Wiiだね。

おのはら:やっぱそこ意外だね。3DSからじゃないっていう。

:この話膨らませなくていいのよ。

あずき:ワルイージが……。

一同:(笑)

:ないのかよ、ノコノコに対して(笑)。

あずき:ノコノコに対して……。ほぼ言っちゃってるからな、みんなが。
千明のことで言うと、漫才もコントもちゃんとウケてるのがすごいなって思う。

千明:あー、うれしい。 コントも別ユニットでやってるんです。

:漫才のキャラのままコントで演じてもちゃんとウケるっていうのは本当にすごい。

──おふたりは皆さんの回答を受けていかがですか。

千明:いやもう、すごいうれしい。過去イチでうれしいです。こんなに言ってもらえることないんで。昨日(サークルで)バーベキューやったんだけど、1年生から(自分が)同級生だと思われてて。

カツラギ:「千明さんだ」って分からないからね。

千明:1年生に「肉焼けてるぜ」、「これ、ギリ食えるよ」とか言われて。

一同:(爆笑)

「これ、ギリ食えるよ」

千明:だいぶうれしいよ。昨日は辛い思いをしたから。

ホリコシ:普通、ためらうもんね。

おのはら:こいつは確定で1年生だと思われたんだ。

千明:だから今日はすごいうれしい。

「そこが組むんだ」MENSA会員と罪人(?)(ナユタ・ノコノコみさき→グラマラスグランマ)

──次はグラマラスグランマのおふたりに対する印象をお願いします。

:緊張するなぁ。

あずき:まあまあ、あればで。白紙で出してもいい(笑)。

:1年生の最初の同期ライブが12月にあったんですけど、そのときには既に別コンビで出ていたので、コンビというよりは個人に対しての印象になるのかな。

──なるほど。では一斉にお願いします!

回答

カツラギ「そこが?」

千明「ちょっと緊張(門は家近い)」

おのはら「罪人」

ホリコシ「夫婦」

千明:なんか悪口多くない?(笑)

:「罪人」って(笑)。

おのはら:やっぱり一番はこれだよ。

ホリコシ:罪人からいく?

千明:その内容によっては俺も(回答)変わるよ?(笑)

:本当に罪人になったときどうすんの(笑)。

ホリコシ:俺は大阪のライブとかでよく一緒になるんですけど、もうずっと2人で飲んでるんですよ、夫婦みたいに。カウンターでいっつも横並びで飲んでるから、「どんだけ仲いいんだよこいつら」と思って。
ネタももちろん面白いし。仲いい割に2人の関係性はネタに使わないから、かっこいいなと思いますね。

あずき:門は結構みんなと喋れるけど、俺が基本的に門としか喋らないから。

ホリコシ:いい関係性だなと思いますね。2人を見てて。

グラマラスグランマの2人

カツラギ:俺は逆に元から各々知ってたから。IOK(あずきたろう)とO-keis(門)で、各々でへっぷば~んと春天狗っていうコンビとして知名度もあって。なのでこの2人が組むって聞いたときに、 「そこが組むんだ」って、ちょっとびっくりした。

千明:俺は最初の頃は(2人と話すとき)緊張してた。ダークヒーローというか。

ホリコシ:わかるわ。

千明:「こいつらには面白いと思われたい」みたいな。

カツラギ:あとあずきたろうがね、MENSA入ってるから。怖いなあみたいな。

千明:最初に(あずきたろうと)ライブで話したとき、すげえ愛想悪かった。

あずきホリコシ:(笑)

:初対面めっちゃ愛想悪いんだよ。

千明:正直最初は「うわっ」って。『戻り戻り鰹』というライブで会ったんですけど、クワトロジャンキーは社交的で、すごい仲良くなれそうと思って。その後へっぷば~んに話しかけたら「……うす」みたいな。だからちょっと緊張したっていうイメージがあります。

『戻り戻り鰹』

早稲田大学お笑い工房LUDO、日本大学経商法落語研究会、一橋大学お笑いサークルIOKによる対決ライブ。

ホリコシ:でも話してみると、「こんなに喋ってくれるんだ」って。

千明:門も初めはちょっと緊張してたけど、家が近いって知って。

:同じ沿線に住んでて。今は(千明が)引っ越しちゃったので違うんですけど。

カツラギ:……罪人ね。

:ちょっと聞きたいな。

ホリコシ:これ使える? 大丈夫?

おのはら:いやちょっと使えないです。

ホリコシ:やばいじゃん。

カツラギ:どっちの話かだけ教えて。2人が罪人ってこと?

おのはら:いやまあ……門。

一同:(笑)

:それ、法に触れてる可能性あるな。

ホリコシ:違う話を想像してない?(笑)

:えぇ、なんだろう。

カツラギ:思い当たる節があるなら言ってみてよ。

:地元全然違うんですけど、おのはらに見られたのかな。高校生のときに一瞬だけ自転車2人乗りしちゃったっていう。

おのはら:そんなこと言わないって(笑)。
これはライブで大阪に行ったとき、グラマラスグランマの2人とマボロシというコンビの鉄の4人で車で行ったんですけど。
そのときに“罪人”だったという。……えっ、覚えてないの?

罪人エピソードを熱弁するおのはら、ピンときていない門

:何したの。何してたっけ、俺。

おのはら:いや、何したってわけじゃないけど。……でも、この話1つも使えないんで。行く道が楽しかったっていうことです。

:夜が明ける前に出発して夜通しドライブしたんですけど、面白すぎて道中で寝れなかったから「罪人」。ということにしてください。

おのはら:それでお願いします。

ナユタの勢いに「こりゃやられた」(グラマラスグランマ、ノコノコみさき→ナユタ)

──次はナユタのおふたりに対する印象をお願いします。どうぞ!

回答

カツラギ「判別つかん」

千明「こりゃやられた!」

あずきたろう「0が多い割に1が少ない」

門「そんなすぐ結果出る?」

:(あずきたろうの回答を見て)いや数字の那由多だからそれは。もうずっとさあ!

千明:ずるいよ。

おのはら:那由多の0全部並べて見たことないだろ。

ホリコシ:でも1少なすぎるな、たしかに。

:桁が大きい数ってそういうもんだから。

あずき:今はもう分かったんだけど。0が多い割に1が少ないことが世の中には結構あるってことが。最初見たときはびっくりした。

:もういいって(笑)。逃げだわ、こいつは。

──(笑)ノコノコみさきのおふたりからお願いします。

カツラギ:1年生や2年生のときは、LUDOの中でいろんな人がいろんな人と組んでて、池袋LUDOとかもあったので、正直誰がどうなってるのか分からなくて。
だからナユタって言われたときも「どこの誰とどこの誰だ」みたいな感じでした。判別がつかなかった。

池袋LUDO

LUDO23期内の12名によって結成されたユニット。ナユタの2人も所属している。

おのはら:最初すぎるだろ(笑)。まだ会う前。

「どこの誰とどこの誰だ」

カツラギ:あんまり普段他のコンビのネタ動画とか見なくて、ライブで見たい人間なので。
帝京の大学祭でナユタと一緒になったときをよく覚えてて。ちゃんとナユタを見たのはそのときが初めてでした。そのときに「うわ、すげえ面白い」ってなって、一般のお客さんにもウケていてすごいなと思ってたら、そのネタでM-1をどんどん勝ち上がっていったので。

千明:『お茶』やってたの?

ナユタ『お茶』

『M-1グランプリ2023』3回戦にてナユタが披露した漫才。その名前を世間に轟かせるきっかけとなった。

YouTube「ナユタofficial」より

カツラギ:『お茶』やってた。そのときはいい瞬間見れたなと。

千明:俺は「こりゃやられた」だね。結構倒されてるというか。ホリコシには特に。
M-1をナユタが勝ち上がったときも「こりゃやられた」と思いましたし、NOROSHIもホリコシに予選で負けてる。2年のNOROSHIのときも僕は敗者復活に行っちゃって、ナユタは準決にいて「こりゃやられた」。結構倒されてる。

カツラギ:そうかも。「ノコノコはM–1勝ち上がれそう」と言われることがよくあったんです。そう言われてて、ちょっと浮かれてたから。

千明:たしかに2回戦は行くと思ったんですけどね。そしたら1回戦で落ちちゃって。

ホリコシ:俺らは逆にノコノコが全部勝ってるイメージがあったから。そう思ってたんだ。

M-1、NOROSHIでの悔しさを語る千明

あずき:俺は、あの声の出し方でちゃんと声が通ってるのすごいなっていう。

:たしかにコソコソ喋ってる感じで、意外とちゃんと聞こえてるのはすごい。

ホリコシ:うれしいです。

:僕は「こんなにすぐ結果出る?」と思いました。2年生の時のM-1でナユタは2回戦に行ったのかな? 2023年こそナユタは大躍進でいろんな学生芸人が勝ったりもしましたけど、そのときってまだ、学生芸人は2回戦行ったら結構すごいみたいな感じでした。

特に僕らが2年生だったときは(当時の)4年生でも落ちたりギリギリ受かったりというなかで、 ナユタっていう聞いたことがない、まだ大会でも勝ってるわけではなかったコンビが2回戦に行ってたんです。俺も最初は誰だと思っていたら、おのはらとホリコシが組んだと聞いて。普通やっぱ組みたての頃って結構模索すると思うんですよね。でもナユタはそんなにすぐ結果が出るんだと思って…… 「こりゃやられた」って。

一同:(笑)

ホリコシ:ありがとう。

プロフィール
グラマラスグランマ

一橋大学お笑いサークルIOK所属のコンビ。

『NOROSHI2024』(チーム晩鐘ライラック)、『大学生M-1グランプリ2023』にて決勝進出、『UNDER25 OWARAI CHAMPIONSHIP』 準決勝進出ほか。

個人プロフィール

あずきたろう

2002年5月4日生まれ。徳島県出身。一橋大学お笑いサークルIOK所属。

2002年10月11日生まれ。埼玉県出身。慶應義塾大学お笑い道場O-keis/一橋大学お笑いサークルIOK所属。

ナユタ

早稲田大学お笑い工房LUDO所属のコンビ。

『M-1グランプリ2023』ベストアマチュア賞・準々決勝進出、『大学生M-1グランプリ2023』優勝、『NOROSHI2024』(Sunday monday Sunday)決勝進出ほか。

個人プロフィール

おのはら

2001年5月11日生まれ。宮城県出身。早稲田大学お笑い工房LUDO所属。

ホリコシ

2003年3月25日生まれ。東京都青梅市出身。早稲田大学お笑い工房LUDO所属。

ノコノコみさき

日本大学経商法落語研究会所属のコンビ。

『NOROSHI2024』 (チーム消防車)決勝進出、『大学生M-1グランプリ2023』決勝進出、『UNDER5 AWARD 2024』準決勝進出ほか。 

個人プロフィール

カツラギ リキト

2002年12月3日生まれ。石川県出身。日本大学経商法落語研究会所属。

千明大河

2002年12月28日生まれ。埼玉県出身。日本大学経商法落語研究会所属。

今後の出演情報

・ナユタ

「FM NACK5 Podcast」にて毎週月曜17時に配信中!

・ノコノコみさき

『YOIYOSE 38』

日時:2024年8月7日(水)開場21:15/開演21:30

会場:高円寺ジュンジョ―

料金:前売 1,500円/当日 2,000円

『スイスイ魂!』

日時:2024年8月14日(水)開場18:45/開演19:00

会場:新宿バッシュ‼

料金:前売・当日 2,000円

buchidama@gmail.comでのお取り置きも可

『第91回 レジスタリーグ!』

日時:2024年8月18日(日)13:30開演

会場:西新宿ナルゲキ

「4年漫才師の”戦友”座談会 Vol.3」は7/31(水)公開予定!お楽しみに!

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